勉強する意味と学生起業がもつ実践的な教育の可能性【道新】

今日とりあげるのは、道新オホーツク版の「風ごよみ」に掲載されていた「何のための勉強か?」(2019.10.14)という短いエッセーと関連記事を2本。出典は以下の通り。

  • 「何のための勉強か?」(2019.10.14 道新 オホーツク版)
  • 「地方から人材を育てる」(2019/04/29 道新 北見版)
  • 「コンサル会社 学習塾を開講」(2019/04/18 道新 北見版 )

残念ながらネット版にはないため、道新契約読者はぜひ電子版でご覧になっていただきたい。また電子版の閲覧は1週間分なので、4月の記事は、、、図書館で。というのもあれなので、ちょっとの間だけモザイクなしでこっそり公開

学生起業という経験はよいことだらけ。勉強の意味も明確になり「学び」に貪欲になれる。大半の学生とは違う経験から得られるスキルは一生涯の財産に。起業にチャレンジしないなんてもったいない、と心底そう思う。
学生たちの起業を手伝い、ともに事業をつくっていく中で、彼らの目覚ましい成長ぶりを見られるのは私にとり大きな喜び。

そんな話を西野社長の記事に共感しつつ整理したのがこの記事。

あれこれやることがありバタバタしていたけど、ツイッター(↓)で予告しちゃってるので、有言実行。私がやっている学生起業支援ネタとからめて書きます。

本日の #道新 #オホーツク版 「風ごよみ」コーナー
株式会社ロジカルの西野社長の「何のための勉強か?」が面白かった
勉強は幸せを実現する手段であって目的じゃない
大いに共感
西野さん関連記事をまとめつつ
学生起業 について考えてることを後でブログに書こうと思う
http://rogical.co.jp

「未来を楽しむ学習塾SCHOOL」への道のり

北海道新聞 2019/04/18 北見版

西野社長は、もともと証券会社勤めのサラリーマンだったが、6年前に地元北見に戻り、会社を設立。
コンサルタントとして地域ブランドの育成という地域振興を軸とするビジネスを展開する。

そんな彼が今年4月末に学習塾を開設した。
教育業界など一度も経験したことがないにもかかわらず。

その経緯はこうだったのではないかと推察する。

価値を生み出す豊かさの源泉は「人材」だという思いが日毎につのり、確信へと変わっていく。

「世界で活躍できる人材を地方で育てる教育環境づくり」

これが子どもたちの幸せにつながり、やがては地域活性化の大きな原動力となるはずだ、と。

よそ者の視点:教育という異分野への参入

北海道新聞 2019/04/18 北見版

西野さんはこうも言っている。

「教育現場にいないからこそ、世界が求める人材像がよく見える」(2019/04/29)

一見するとまったく別の業種への無謀な参入とも見える。
だがここで、(これまでこのブログでもたびたび書いていることだが)「よそ者」の視点が有効に機能する。

つまり教育業界からすると「よそ者」であるがゆえに、
「今の教育に決定的に欠けているもの」
「これからのグローバル社会で戦っていくうえで必要なもの」
をリアルに描くことができる。

「未知に向き合い新しいものを生み出すイノベーションマインド」(2019/04/29)をはぐくむ学習塾「SCHOOL」というコンセプトが生まれるのは自然な流れ。

ディベートスキルや論理的/創造的思考が求められる今日の状況を肌感覚で知っているからこそだ。
未だに偏差値主義の弊害がそこここに根深く残る教育分野に一石を投じる試みといえる。

だから、学習塾という構想は、西野さんにとって、まったく未経験である教育分野への「無謀な」参入ではなく、それまで取組んできた事業と彼自身の願いの延長線上で理解できる自然な発想といえる。

「未知の課題に向き合い、新しい価値を自ら生み出す探求心と創造性」を通して「世界を楽しめる人材の育成」に注力することは、私自身の問題関心とも共通する。

勉強は何のため?

北海道新聞 2019/10/14 オホーツク版

今日掲載の「勉強は何のため?」(2019/10/14 オホーツク版)は、西野さんの熱い思いが詰まっている。

「勉強は幸せを実現するための手段であって目的ではない」

多くの親が(時に教師でさえ!)勉強する目的をはき違えているのが、今日の教育業界の不幸だ。

「いい大学に行くため」「いい会社に入るため」

そう言われて育つ子どもたちは、「いい大学にいくために勉強しなきゃいけない」と洗脳(??)されてしまう。

「ちっとも面白くもないのに、勉強しなきゃいけない」
「勉強なんて大嫌い」

そんな勉強や学びを敬遠する子どもたちがそこここにあふれかえっている現状は当然の結果。

勉強嫌いの例にもれず、昔の私もそうだった。
目的の大学に入るために、楽しくもない受験勉強を頑張った。

でも幸いなことに、大学に入ってから、学びの大切さに気付けた。
大学という知的に刺激し合える仲間たちとの出会いもさることながら、
学生起業した右も左もわからない18才の青二才は、「学び」がいかに大切で、
学びを実践で生かすことがどんなにか自分の可能性を広げてくれるか
という貴重な体験を何度もした。

「学び」は人生の可能性を大きく広げてくれる

高校までの公教育で教えられてきたことが、実は、世界をよりよく理解し、自分の可能性を広げてくれるものだと徐々に気づき始めた。

マーケットを分析し次の一手を考えるうえで、社会科の知識はないよりあった方がいいに決まっている。

国語という科目は、相手の心理を読み解き、わかりやすい資料をつくり、効果的に商談を進めるうえで使える。

数学は、損益分岐点等々、応用範囲が恐ろしく広い。

英語は、グローバルな最新トレンドを吸収する上でもかかせないし(英語ニュース)、英会話となるとビジネスの幅が格段に広がる。 ・・・などなど

そんなことは誰も教えてくれなかった。

テストで効率よくいい点をとる方法については教わった覚えがある。
でもそこで学んだ知識が、社会に出たときどう役立つか、なんて、誰も教えてくれなかった。

学びの大切さに気付いた当時の私が思ったことは、「もっと早く知っとけばよかった」だ。
高校までいやいや勉強してたあの頃の自分に戻りたいとも思った。

だから、西野さんと同じく、私自身も若い人たちにそのことを伝えたいと思っている。

私の場合、学生の起業を支援することで主体的な学びの機会を提供

私の場合、大学生とのかかわりを通して、それまで学んだであろうことを活用し「実際にお金をかせぐ」という路線。

ほとんどの場合、何か新しいことをやろうとすると、当然、壁にぶつかる

そんなとき、私が仮に解決方法を知っていたとしても、できるだけ自分で考えて調べるように仕向ける。

  • わからないことがあれば、図書館や本屋に行けばいい
  • ネットで調べることだってできる
  • 業界人にアドバイスをもらえばいい・・・などなど

図書館や本屋で、実際に本を手に取って調べることを通して、「書いてあることを自分事として理解する」読解力が身につく。

ネットで調べることで、わからないことを手早くリサーチするスキルがはぐくまれる。

相談相手は私が紹介するのが常だが、その分野のことを誰よりも理解しているビジネスマンや社長につなぐことが多い。紹介された学生の多くは、「いきなりそんなすごい人と・・・」と戸惑う。社会人として学ぶべきことをたくさん吸収できる機会。

相談の前に、何を聞きたいか簡潔に整理する必要性。相談にのってもらうということは、相手の時間を奪っていることになること。などなど。コミュニケーションスキル全般がみがかれる。

必要なスキルや知識があれば、そこで学べばいい。

あれこれ頑張ってはみたものの、仮に事業がうまくいかなかったとしても、得たスキルは残る。大半の学生が、サークルやバイトに明け暮れる中、時間と労力を投資して得た知識とスキルはその人自身のもので、お金では買えない。

そんなあれこれの実践経験を通して、「学びが人生をかえる」を体験してもらいたい。
だから私が地道に取り組んでる学生起業という謎事業(?)は、主体的に学び問題発見・課題解決の道筋を探る「教育」(のつもりだ)。

そんな学生たちの生き生きとした姿を見た大人も「仕事をする」ことの意味をあらためて考えさせられることになるんじゃないかな、とも期待している。

「風ごよみ」のコーナーに時折寄稿される西野さんのエッセーは、とても共感できる内容で、かつ啓発的だ。今後の展開をワクワクしながら見守りたい。西野さんの株式会社ロジカルの公式サイトは下のリンクより

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