小清水町とモンベル~地域をまるごと巻き込む仕掛け【北海道新聞】

小清水町は、北海道の道北、オホーツク海に面した人口5000人ほどの小さな町。
この町のビジターセンター窓口業務をモンベルに委託というのが今回のニュース。

北海道新聞(2019/10/09 網走・美幌版)の記事はこちら

以下のツイートをもう少し補足したのがこの記事です。

モンベルと小清水町

モンベルといえば、北海道だと東川町との連携が有名だろうか。

実は小清水町は数年前(2015年)から、モンベルとの連携をすごい勢いで強化している。

このあたりの事情は、「小清水×モンベル! オホーツクを巻き込むまちづくり!」に詳しい。

ポイントは、「地域をまるごと巻き込む仕掛けづくり」(単に自分のとこの町だけでなく)に関係者が腐心している点だ。

ひとことに企業誘致といっても様々

いろんな人と話していて、「企業誘致」という話題になると、
「資金力のある企業が、コスト勘案した結果、土地と人件費が安く上がる地方に、どかんと自社工場や店舗を立てる」
というイメージで理解されてる方がほとんど。
行政は、住民の合意なく、誘致企業に土地を提供する。
その手の企業誘致だと、地域住民は蚊帳の外。

そうなると誘致企業の強みを生かした地域活性化戦略(今回の小清水町とモンベルのような)は生まれる可能性は限りなく低い。

その一方、モンベルと小清水町との間にきずかれた信頼の絆は、
町といういち市町村行政とのつながりという以上に、
モンベルと地域住民との絆でもある。

世界を見渡しても、こうした展開は、まだまだ少ない。それは逆に言えばチャンスでもある。

企業と地域住民の連携の形

人口減に悩む多くの自治体は、何をやるにも「人材不足」「資金不足」の壁にぶつかる。
一方、その地域には、まだまだ埋もれている「価値あるリソース」がある。
だが残念なことに、それをうまく掘り起こし、プロモーションするだけの余力が、自治体にはない場合がほとんどだ。

地元の人にしてみれば、あまりに日常過ぎて無価値にみえるものでも(「こんな田舎にはなんもねえよ」)、
外部からやってくる人間にとっては「すっげーーー!」「何これーーー!」と大きな価値を持つ、なんてことはよくある。

でかい企業は、プロモーションのノウハウを持っているので、
そこで見つけた地域資源を需要のあるマーケットへ価値づけして投下することができる。
そのネタが、企業コンセプトと事業展開の遡上にのるなら、誘致企業は両者にとってメリットがある。

こうした地域と企業の連携の形として企業誘致、
今後、この手のネタはいろんなエリアで出てくるだろう。

小清水町とモンベルの今後の展開から目が離せない。

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