キッチンカーにみる若者起業あれこれと地域活性化~恵庭市が貸出開始の記事より【道新】
キッチンカーをレンタルしての出店は低コストでお手軽なパッケージだ。これから店舗を構えようと思っている方々にとっては格好の試験運転になるだろう。
- 自分で機材を持つ必要がない(格安 or 無料レンタルだから)
- 価格が安い(材料費や看板代とランニングコストくらい)
私自身、これまでキッチンカーに注目することがなかったので、簡単にまとめてみる。
本記事では、まず道内の行政によるキッチンカー貸出事例を紹介し、その後、キッチンカーを購入しての若者の起業事例をふたつ紹介、最後に札幌でも地域活性化事業の一環として活用されているというお話。
キッチンカーにみる若者起業あれこれと地域活性化~恵庭市が貸出開始の記事より【道新】
恵庭市が今夏よりキッチンカーの貸し出し事業をはじめたという本日の道新の記事。
低価格(9:00~17:00で1000円)で調理に必要な機器がまるっとセットでレンタルできる。しかも安いというのだから、これから起業を考えている方々のみならず、趣味程度の関心からも、あるいは学生でも手が届く。
かかる費用は、材料費と看板メニュー等の製作費程度だろうか。お手軽にお店を出すことができるのが魅力だ。
この手のキッチンカー貸出事業、道内では北見市が「にぎわい創出事業」と銘打って2017年からはじめている。こちらは、貸出無料。
地域でビジネスをやろうとしている人たちを応援する仕掛けは、行政だからこそやる意味は大きい。多くの場合、飲食店系の創業支援といえば、実店舗を持つことが前提だったりする(帯広や苫小牧の屋台出店ネタは、キッチンカーと実店舗の中間といったところ)。だから、よりお手軽で試験運転可能なキッチンカーは、これから飲食を始めようとする人にとり、格好の機会を提供してくれる。
その一方で、レンタルではなく、そもそもキッチンカーを購入して、積極活用するという路線だって当然ありうる。実店舗と違い場所を選ばない。車でいけるところであれば、どこでも店舗展開が可能だ。もちろん、許可はとる必要があるが。実店舗を持たずキッチンカーのみでの経営という事例は枚挙にいとまがない。だがその中でも、若者ががんばってて、しかも興味深い事例を紹介したい。ひとつは愛知の二人組、もう一つはなんと酪農学園大学の学生さんの事例だ。
日本縦断「カレーコミュニケーション」:ゲストハウスと居酒屋オープンを目指す愛知の若者
愛知の若者二人は、キッチンカーでカレー屋をやりながら、日本縦断している。その名も「カレーコミュニケーション」。訪れた先の食材を使い、地域の人たちとの交流を大切にしながらの旅。
昨年の夏から1年かけて縦断(ファースト・シーズン)。今回は二度目(セカンドシーズン)。今年8月上旬に根室をスタート。1年かけて鹿児島までの縦断を試みる。
応援サイトを立ち上げ、クラファンもかけている。
今現在は四国に渡り、香川、愛媛付近にいるらしい。twitterで彼らの活動をリアルタイムにみることができて面白い。
来年には、地元豊橋で居酒屋とゲストハウスをかまえるという野心に燃えた二人の縦断旅行。
ゲストハウスは、人と人との交流が生命線ともいえる。それに加えて飲食店経営。そういう意味でも、しっかりと先を見据えた「今」の日本縦断企画だ。
酪農学園の学生さんによる可愛井(かわいい)カフェ
酪農学園の学生さんの「可愛井(かわいい)カフェ」。和×かわいいをコンセプトとしてバブルワッフル移動販売。江別産小麦を使ったもちもち食感が売り。
日本政策金融公庫からの融資を受けクラウドファンディングから資金を調達している。キッチンカー購入や必要備品をそろえ、残りを運転資金にあてているといったところだろうか。学生なのに事業のために借金までするその根性があっぱれだ。
札幌近郊をはじめ、岩見沢、苫小牧と精力的にイベント出店を果たしている様子が、サイトからみてとれる。
またtwitterやinstagramでも情報発信をしているので気になる方はチェック。
学生はじめ若い人たちが全力投球でチャレンジしている姿にはいつも励まされる。こういう経験は、結果はどうあれ、生涯の宝物になるに違いない。さっそくうちに集う学生たちともシェアしてみよう。
さてついでながら、札幌で「キッチンカー」を絡めた地域活性化ネタといえば、デベソを紹介しておかなければならない。
地域活性化を目指したキッチンカーエリア@札幌狸小路で今春から
狸小路3丁目、にぎわい演出 コンテナ、キッチンカー設置「deve★so」 再開発中の集客減防ぐ
狸小路キッチンカー盛況 再開発中の集客に新制度活用 「活性化のモデルケースに」 札幌
狸小路にこの春設けられた商業スペース「デベソ(deve★so)」、何度か見に行ったが大盛況だった(2022年5月までの事業のようだ)。私が見に行った(たまたま通りがかっただけだが)ときは、タピオカをはじめ、チョコバナナといった店が多く比較的若い人たちが行列をなしていたという印象。店舗は定期的に入れ替えられるようだ。
ちなみに、デベソの名称は、「DEVElopment of Sapporo Odori」(札幌大通の発展)からとっている。再開発事業にともなう集客減を防ごうとはじまった商店街活性化を目指す事業モデルだ。
実店舗を出すのと違い、キッチンカーというお手軽なパッケージが、参入する側としてもうれしい。
そんなこんなで、今日はキッチンカーで気になるあれこれをまとめてみた。